本当に怖いのは変化に対応できないこと
もしかしたら今日はお昼ご飯が食べられないかも…。仕事をしていてそんなことがありました。
僕は内勤のため、いつも会社の食堂でお昼の食事をとるのが当たり前です。しかしある日、食堂の機材にトラブルがあってご飯が作れないかも?という情報を午前中に聞き、そわそわしながらお昼休憩を迎えた僕です。
無事にご飯は食べられたのですが、今回の本「チーズはどこに消えた?」を読んだ直後の僕は、「チーズ」がなくなるってこういうことなのかな?と思いました。
チーズってなに?
この本は迷路に住んでいるネズミ2匹と小人2人がチーズを探すお話です。
2人と2匹は迷路の中のある部屋で、チーズを食べて楽しく生活していました。その部屋のチーズはどういうわけだか、いつ行ってもそこにあったのです。
毎朝起きたらチーズのある部屋へ向かい、一日の終わりにはまた自分たちの住処に戻る生活です。
迷路の中は危険がいっぱいですが、チーズの部屋までの道は通い慣れたものです。知らない道を歩いて危険な思いもしなければ、食べるものがなくて困るということもありませんでした。
そんな生活にある日転機が訪れます。いつものように2人が出かけていくと、あの部屋にチーズがないのです。今までこんなことはありませんでした。
「そんなはずはない!何かがおかしい」2人はすっかりパニックになってしまいました。
「待っていればまたチーズは戻って来るんじゃないのか?」そんなことを考えて沈み込んでしまいます。
ネズミたちはというと、同じ日の朝早く、チーズがなくなったとわかるやいなや、部屋を飛び出して新しいチーズを探しに出かけていました。
というのもネズミたちは毎日部屋やチーズに変化はないかと、辺りをよく観察し小さな変化を見逃さないように準備をしていました。毎日の些細な変化を見逃さなかったんですね。
さてここから残された2人のチーズを探す冒険が始まります。2人の名前はヘムとホー。Hem and Hawで“うろうろする、ちゅうちょする”という意味があります。
ちなみにネズミの名前はスニッフとスカリーです。Sniffは“クンクンと匂いをかぐ”という意味があります。Scurryは“チョコチョコ走る”という意味です。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定…等々の象徴です。
チーズはどこへ消えた? スペンサー・ジョンソン
「迷路」とはチーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭…等々の象徴です。
このお話に出てくるチーズは「人生で求めるもの」とされています。また「今ある当たり前」という風にも言い換えられそうです。今住んでいる家での暮らしや、毎日通っている職場。家に帰るとおかえりと迎えてくれる家族や、年末に開かれる友人たちとの集い。
これらのものや存在がなくなる日が来る?そんなこと考えたことがありますか。慣れた環境でのんびりしていたい、明日も今と同じがいい、こんな風に思いますよね。
しかし身の回りの環境や、関係というのは刻一刻と変わっています。お釈迦さまもこの世で変わらないものはないことを「諸行無常」という言葉で残していますね。
病気や災害、転勤、リストラ、上司の気まぐれ、夜更かし、間食。ほんの些細なきっかけで現状は簡単に変わってしまうのです。もしもそれらの環境や今までのルールが変わってしまったら、私たちはどうすればいいのでしょう。
チーズがなくなったとき2人はどうした?
チーズがなくなって途方にくれる2人。友達のネズミたちはチーズがなくなった理由を深く考えることなく、危険がいっぱいの迷路へ飛び出していってしまいました。
残された2人は持ち前の頭脳を活かして、なんとかチーズがなくなった理由を解明しようと現状を分析します。しかし答えは出ません。
苛立ちもあり、2人の考えが対立するようになります。ホーはチーズがなくなったことを受け入れ「出かけよう!」とヘムを誘います。しかしヘムは「ここがいい。ほかのところは危険だ」と耳を貸しません。ついにホーは1人で出発してしまいます。
ヘムは「チーズはどこへ消えた?」と考えているが、自分(ホー)が思うのは「なぜすぐに立ち上がり、チーズを探さなかったんだろう?」ということだ。
チーズはどこへ消えた? スペンサー・ジョンソン
ヘムは変化してしまった環境にうまく適応することができず、なんとか居心地の良かった過去に戻れる方法はないかと頭を悩ませます。
最初のうちはホーも同じようなことを考えていましたが、時間をかけて変化を少しずつ受け入れたあとは、この変化に対応するにはどうしたらいいかということに考えをめぐらすようになります。
チーズを探し続けることが本当の安心
ホーは危険がいっぱいの迷路を1人ぼっちで進みます。いろんな部屋をのぞきましたが、思うように新しいチーズは手に入りません。
たまに少しのチーズのかけらが拾えると、それをヘムのところへ届けました。それでもヘムは部屋を出ようとはしません。
再び迷路を進むホー。チーズがなくなってから今までをふりかえりホーは考えます。
もし恐怖がなかったらなにをするだろう?
新しい方向に進めば新しいチーズがみつかる。
チーズがないままでいるより迷路にでて探したほうが安全だ。
そしてようやくホーはチーズで埋め尽くされた新しい部屋へたどり着きます。なんとそこには大量のチーズと一緒に、満足そうにお腹をふくらませたネズミたちもいたのでした。
高度なことを考えなくても、とにかく動くというやり方でネズミたちは誰より先に新しいチーズへとたどり着いていたのです。
まとめ
変化は必ずやってきます。そして誰しも今大事にしているチーズがあると思います。それと自分との関係はきっといつまでも同じではありません。
しかし変化はいずれ訪れるものとし、普段から準備していればどうでしょう。急な変化に足がすくんで頭が回らないような絶望的な状態は避けられると思いませんか?
僕自身、現状での生活や仕事がずっと続くとは思っていません。だからといって特になにかできるわけでもないのでまずはここで発信活動を始めることにしました。
なにもわからない中で手探り状態の日々ですが、やってみると楽しいな感じられる時間もほんの少し増えてきています。
変化は必ずやってきます。変化自体を避ける術はありません。大事なのは変化が起きた時にどう対応するかです。
怖い中でどうしてヘムは迷路を進み切れたのか。不安な中で心の支えにした考えはどういうものがあったのか。ぜひご自身で確認してみてください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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