なぜ文章はむずかしいの?〜何を書けばいいかわからない人のためのうまくはやく書ける文章術 を読んで〜

文章がむずかしい理由

 文章を書いてみるようになって、本当にむずかしいなと感じています。思ったように言葉がまとまらない、そもそもどう表現していいのかわからない、次にどう展開していったらいいのかわからない。そんなモヤモヤを解決できるような本はないだろうかということで見つけたのがこの「なにを書けばいいかわからない人のためのうまくはやく書ける文章術」です。
 うまい文章が書ける理由はズバリ「書くための準備しているから」です。書くためには目的や、何を書くのかといったテーマなどの準備がされているからこそ、どういうことをどういう順番で書いていいのかがわかるのです。
 この本は文章術の中でも「書くまでの準備」に特化した内容になっています。学生時代の読書感想文は得意な方ですか?僕は感情や経緯を文章にまとめることが苦手でした。何を書けばいいのかわからない中、出来上がったのは膨大なあらすじ(ほぼ本編)…。そんな壊滅的な文章力の僕にも活かせることが盛りだくさんの一冊です。

そもそもうまい文章とは?

 うまい文章が書けない。この悩みにあるうまい文章とは具体的にどのような文章なのでしょうか?この問いについても本書では定義づけがなされています。

うまい文章=目的を達成できる文章

何を書けばいいかわからない人のためのうまくはやく書ける文章術

 あらゆる文章には目的があるのです。手順書も、日記にも、レビューにも、違った目的のために書かれた文章です。なのでこれから書こうとしている文章はなんのために書くのかを理解しておくことが重要です。また文章を書く上で大切な考え方がもう一つあります。

「うまい文章」、すなわち「目的を達成できる文章」を書くにはどうすればいいのでしょうか?ズバリ「読む人に貢献すること」です。

何を書けばいいかわからない人のためのうまくはやく書ける文章術

 文章を書いている時の頭の中は、自分の文章をどうするか、何を書くかなど自分のことでいっぱいになりがちです。そうではなく、読んでくれる相手のことを考えて書かれた文章こそが、うまい文章になります。この意識があるとないでは、文章の内容も大きく変わってきそうですよね。そして相手に貢献するために大事なのが書くまでの準備です。

準備は大きく2つ。情報集めと、構成を考える

 ここからは具体的な準備の内容についてです。準備は大きく2種類に分かれます。一つ目は文章の材料になる情報集め。もう一つは誰に何を伝えるのかなど文章の軸を決めていくことです。

準備①情報集め

 文章は自分の知っていることだけでは書けない場合もあります。そういう時は、書く前に取材やネット、書籍で情報集めをしなければいけません。また実際に現場に行って取材する必要が出てくるケースもあるでしょう。その際には五感をフルに活用して、自分が直接見たり、聞いたりした一次情報を集めることが役に立ちます。どんなことについて書くのかを事前に決めておくと、何を集めたらいいのか、どの程度集めたらいいのか迷うことが少なくなります。人から直接話を聞く場面では事前に仮説を立てておいて、その仮説を検証していくような質問をするといいです。
 また外からの情報だけでなく、自身がこれまでしてきた体験も素材になります。事実だけでなく、その時に抱いた感情や思考なども内容に盛り込めると、より相手に伝わる文章になります。自分の中でなんとなくやっていることの理由の答えをとりあえずでも出しておくこと、そもそもなんで?という質問で自分の内面にある嗜好や価値観なども深掘りして置けると相手に響く文章作成に活かせます。

準備②文章の構成を考える

 ここからが本書の最重要ポイントです。書くための具体的な準備を説明していきます。
 構成を考えることには8つの工程があり、以下のようになっています。ここでは特に重要な上から3つをピックアップします。

①読者ターゲットを明確にする
②読者ターゲットのニーズを把握する
③文章の目的を明確にする
④読者の反応を決める
⑤メッセージをひとつにしぼる
⑥文章の切り口を工夫する
⑦文章のレベルを決める
⑧文章のテイストを決める

何を書けばいいかわからない人のためのうまくはやく書ける文章術
②−1 読者ターゲットを明確にする

 まずはどのような相手に向けて書く文章なのかを決める必要があります。今は個人が簡単に情報発信できるので、たくさんの情報が身の回りに溢れていますね。なので誰にでも当てはまる文章というのは、かえって誰からも読まれない文章になってしまいます。「これは自分のことについて書かれた文章だ」と思ってもらえるから読んでもらえるのです。そのためにはぬるいしぼりこみでは不十分です。料理の本を例に説明しますと「1人暮らしのため料理」ではしぼりこみがぬるいです。単に1人暮らしといっても抱える問題は様々だからです。「1人暮らしで、手軽に安く作れるレシピが知りたい学生や20代、初心者」くらいまでしぼりこめていると望ましいです。

②−2 読者ターゲットのニーズを把握する

 読者は必要としているものがあるから文章を読みます。役にたつ情報を知りたい、解消したい悩みがある、また物語の世界に浸りたいなどの理由があるわけです。先ほどの例の続きで、1人暮らし20代の料理というターゲットにしぼった場合にはどういうニーズがあるのでしょうか。安い材料費でまかないたい、洗いものは少なくしたい、簡単な工程がいい、包丁は使いたくない、味付けの濃いものが食べたいなど、いろんなニーズが考えられます。これらの情報があることで書くべき文章の方向性が具体的になりますね。しかし、これらニーズが把握できていなければ、読者に貢献できる文章とはかけ離れたものになりかねません。
 読者のニーズを知る方法として、本書ではターゲットとの雑談、アンケートをとること、また実際に同じライフワークで過ごしてみる方法が挙げられています。これらから得た実感があれば、想像だけの文章とは違ったものが書けるでしょう。

②−3 文章の目的を明確にする

 うまい文章とは目的を達成できる文章です。そもそも何を目的とする文章なのかということがとても重要です。そして目的は深く踏み込んだものでなければいけません。どういう事かというと、料理のレシピ本を書く目的を例にして説明します。これなら作れそうと思ってもらえる文章を目指すのか、読んだそばから作りたくなる文章なのかという違いです。後者の方が踏み込みが深い目的だといいたいわけです。踏み込んだ目的で書かれた文章の方が読みたい気持ちが湧いてきません?目的の差は、そのまま文章の差となってあらわれます。踏み込んだ目的の方がより大きな成果につながるのです。

まとめ

 今まで文章を書こうと思っても、なかなか文章の形にまとめることができませんでした。それは書きたい情報が頭の中で断片的にふわふわ浮かんでいる状態だったためです。ですがこの本を読んで文章を書くためには、まずそこに至るまでの準備がとても大切なことがわかりました。行きたい場所がわからなければ切符が買えないのは当たり前ですよね。文章を書くことにも同じことが当てはまります。そして文章を書く大前提として「読者に貢献する」ことが大切だと学びました。
 この記事は同じように文章で困っている人が読むべき本として、伝わればいいなと思って書いています。挿絵や表を使って、わかりやすい言葉でためになる情報が盛りたくさんな一冊です。ここでは紹介しきれていない情報の方が多いので実際に手に取って読んでみて下さい!アマゾンのKindle本にもありました。ここまで読んでもらってありがとうございます。

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